チャンスが来る日もあれば、来ない日もある。
こっちではよくあることなのだが、急に仕事内容と勤務シフトが変わった。悪い方に。
まさか、自分の身に起こるとは…
急に閉店することになったとか、仕事ができない人は段々シフトが減らされていつの間にかいなくなってたとか、話には聞いていたけれども、いくら他の人の話を聞いても、自分にも起こるとは思ってもいなかった。
私の場合は、働いてたカフェのオーナーの変更がきっかけだった。
前のオーナーは日本人が好きで、私以外にも何人か日本人がいた。日本人なら誰でもいいわけではなく、トライアルで落とされる場合もあったけど。
しかし新しいオーナーは日本人が嫌いだった。
私はオールラウンダーから雑用係になり、1日8時間だったシフトは長くて6時間、短ければ3時間。シフトは前日夜にこっちから問い合わせないとわからないといった有り様だった。
オーナーが連れてきた新しいスタッフも、日本人を見下していた。
後から知ったが、私が辞めると伝えた時点で、他の日本人スタッフはみな首を切られていた。
扱いが目に見えて変わった
雑用をすることより、雑用扱いされることがしんどかった。叩かれるまではいかなくても、強く触られることもあった(言い返したらそれ以降はなくなった)。
お客さんとはほとんど関われず、監視される。新しいスタッフはお客さんが来てもずっと話しているが、日本人同士で少し話していると、スタッフがすっとんできて話すな!と言いに来る。
雑用なら雑用でさっさとこなしてしまいたかったが、そうもいかなかった。
新しいスタッフと組んだり協力せざるを得なかったのだが、かなり非効率的なやり方だったり、必要ない手順を増やしたり、セクハラまがいのことを言ってきたりした。私の意見を言ってももちろん通らない。
新しいスタッフは楽しそうだったが、お店の雰囲気は悪くなった。
お客さんが来てもろくにあいさつせず、ひどいときはレジのところでお客さんに気づかないままスマホをいじっている。彼らの母国語でずっと話している。
お客さんが帰るときもサンキューすらやっぱりろくに言えない。
新しいスタッフもノンネイティブだったが、聞き取れないと「ア?」と不愉快だというような顔をして聞き返す。
全てがお客さん第一ではなく、新しいスタッフ第一だった。
楽しくない。
以前のやわらかいカフェの雰囲気はすっかりなくなって、自分もろくな扱われ方をしない。
今思うと、少し精神的に参っていたと思う。
幸いにして辞めるのはすんなりといった。
もう1つの仕事先で言われたこと
そんな状態で単発のカジュアルジョブの仕事に行って、私はあることを言われたのだ。
「Don’t be scare! If you ask me, I’ll say “you are good”!」
一緒に入った女の子が、私に寄り添って、こう言ってくれたのだ。
(私の貧しいリスニングスキルで聞き取った英語なので、間違ってたらご勘弁いただきたい。)
そう言われて初めて、私は必要以上に緊張している自分に気づいた。
正しく早くこなさなくては、という気持ちでいっぱいいっぱいだった。
でも、余裕の無さが出来の悪さに繋がってしまっていた。焦る私に、優しい女の子が声かけをしてくれたのだ。
そのあと落ち着いてできたのかというと、やっぱりすぐには無理だった。
まあ、こういう心のざわめきは、すぐには収まらない。
もう1人スタッフがやってきて、仕事量が減って、ようやく一息つけた。
さらにその後
幸いにして、カフェを辞めたあとすぐに他の勤務先が見つかった。
メルボルンでは信じられないほどの幸運だ(と思う)。
そこは時給も上がり、扱いも普通だった。仕事内容は簡単だし。
そこでもやっぱり最初は緊張していたけど、間を空けずに仕事ができてよかった。
というのも、変に間が空いたら、その間にトラウマ…とまではいかなくても、ネガティブに引きずってしまいそうだったからだ。
「普通に」働くことで、ちょっと自信を取り戻せた。
振り返ってみると、前のカフェで凹んでいた頃より、精神的にも少し回復した。
やっぱりやっていくこと…行動でしか、自分の状況も自分の感情も変えられない。
明日は明日の風が吹く
オーストラリアに来て思ったのは、自分の状況が目まぐるしく変わるということ。
さらにそれは、必ずしも努力と比例するものではないということ。
でも努力はチャンスの回数を増やすことができる。
休みが必要なときは休む!(全然成果が出なくて疲れたときとか!)
動きたいときは動く!
できることできるだけやったら自分を褒めて寝る!
って感じの生き方だと、こういうフラフラした感じを乗り切れるのかな。
まだまだ試行錯誤中です。