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オーストラリアからライフハックを考える

【ライフハック】辛い過去を何度も思い出してしまう!今を生きるためには?

こんにちは!
今回は「過去」についてのお話。


私もかなり引きずりやすい方で、10年以上前の出来事を毎日思い出し、「あれからずっと失敗したままだ。人生がよくなることはない。」と絶望していました。

今は、過去の捉え方や今の考え方を変えることによって、思い出して苦しむことが減り、今目の前にあることに取り組めています。
同じように苦しんでいる方に少しでも役立てば幸いです。

 

 

出来事と感情は実は別のモノ


ある過去を引きずっているとき、私たちは無意識のうちに「出来事Aが起こったから私は辛い。」と信じています。
つまり、「出来事A」さえ起こらなければ、あんなに苦しまなくてすんだと思っています。
でも実際は、「出来事A」自体には何の感情もなく、私たち自身がそれに感情や意味付けを与えています。

「出来事A」→「ショック、悲しみ、怒り、戸惑い」

でも、何度も思い出せば思い出すほど、その結びつきは強くなっていきます。
さらに、その感情自体も増えていってしまいます。
また、思い出す=再び体験してしまうということなので、本当はしたくない辛い経験を何度も繰り返し、その度に自分も傷ついてしまっているのです。


人は同時に2つのことを考えることはできない

ここでひとつ実験をしてみましょう。
①朝食べたものを思い出して、食べる手順を頭の中で再現する。(例:ジャムのふたを開けて、トーストに塗る。サラダにドレッシングをかける。ドレッシングは好きなものを選んで…)
②お風呂に入る手順を頭の中で再現する。(例:体を洗い流し、石鹸の泡を立て、腕から洗って…)

では、①と②同時に思い出してみてください。
交互に、ではありません。完全に同時にです。

 

…できましたか?できなかったはずです。

これは、「道はひらける」(D・カーネギー著)という本に書かれたものを少しアレンジしたものです。
人間は、同時に2つのことを考えることはできないのです。
カーネギーはこれを「砂時計」に例えています。

アタマの中にはいろいろなトピックがあります。辛い過去、明日の仕事、今日あったこと、以前あった人、今日の晩ごはん、寝る前にすること、などなど…。
これが砂時計の砂ですが、砂時計は落ちるときには「くびれ」の部分を通ります。
これが今考えていることです。人間のアタマは、いろいろなトピックのうち、たった1つだけを取り出して、「くびれ」を通らせている=今考えさせているのです。

 

1つのことしか考えられないのに、辛い感情を思い出している

以上の話を踏まえると、今考えてるたった1つのことで「他のこと」を選択させてあげれば、過去のことは思い出さずにすみます。

私の場合ですと、やっぱり「過去の出来事」は辛い感情とともに、隙をねらって頭の中に現れていました。他のことを考えたり、他のことをしていても、です。
でもそこで、「いや、今は他のことしてるから、君は呼んでないんだよ」という風に、無理矢理にでも後ろに追いやってました。

 

イメージとしては、紙芝居です。
色々な場面の紙があります。過去の出来事もそのうちの1枚です。その場面は、しょっちゅう一番前に出てきそうになります。

でも、その紙芝居の紙を持っているのは、あなた自身です。
過去の出来事が出てこないように他のシーンの紙を一番表に出す。
もし出てきてしまっても、あなたは他のシーンの紙を持っています。またそれを出せばいいのです。

 

これは、すぐにできる場合とそうでない場合があります。
すぐにできない場合は、忍耐が必要です。
何度も何度も、繰り返してください。
もしうまくできなくても、自分を責めないこと。少しずつでも着実に進歩しています。

ちなみに、過去の出来事を後ろに追いやるときは、今でも緊張のようにドキドキします。もしかしたら、そのまま辛いことを考えてる方が、ドキドキはしないのかもしれません。
これは自分の中の戦いなのだ…と言い聞かせています。


辛いことを思い出す「メリット」や「意味」が隠されている

こんなに思い出すということは、「思い出すメリット」や「意味」があるはずです。
自分なりにそのメリットを考えてみましょう。

 

私の場合ですと、何度も何年も思い出す出来事を振り返ってみると、「その当時は孤独で誰も助けてくれず、どうしようもないまま辛い状況に追いやられていた」ということが共通していました。

他の人より過酷な状況なのに、楽している人や周りの人に助けや助言を求めても、誰も何もしてくれない。もちろん自分では考えられることは全てやってみましたが、それでも変わりませんでした。

 

私は、「助け」が欲しかったんだと思います。だから、思い出すことは、「助け」を呼ぶことでした。当時していたことは、もちろん今では終わっていることです。結果は変わらないのに、いつか誰か助けてくれないだろうかと、何度も私自身が叫んでいたのでしょう。

 

あるいは、他の結末が欲しかった。助けが来て、楽になって、もう少し違う結果が欲しかったのです。

それで、もしまたこんなことが起きたらどうする?と、シミュレーションとして思い出していた部分もあったのでしょう。

 

①助けを求め続けるために思い出している

②シミュレーションのために思い出している

 

その自分を助けられるのは自分だけ

でも、過去のことに対して、誰も助けてくれません。当時助けてくれなかった人に詰め寄ったところで、相手は何も考えてないでしょう。考えられる人物だったら、その当時も何かするとは思うのです…。


もし、どうしても「過去の出来事」を思い出してしまうのなら、「辛い」という感情だけではなく、その自分に今の自分が話しかけてあげてください。
「どうしたの?」と。1人で考えるのではなく、今の自分がタイムスリップしてそこに入り込み、対話をするのです。

 

そして、自分を労わってあげてください。辛かったね、よく頑張ってるね、と…。
「こんなことをされて辛かった」という気持ちよりも、「過酷な状況の中で頑張っていた自分をいたわる、ほめる」という気持ちを重視してください。

出来事自体を美化する必要はありません。


受け入れる

人間は、過去を受け入れるのは辛いのかもしれません。

受け入れてこそ、前に進める。

受け入れようと思っても、なかなかできるものではありません。

受け入れられない自分を責めずに、少しずつ上記の方法を試してみてください。